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広報紙『シーズレター』

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シーズネットワークでは、広報紙『シーズレター』を年4回、発行しています。身近で見つけた魅力的な女性たちへのインタビュー記事「働き方 私流」、テーマを設けてアクティブメンバーや一般の方からお寄せいただいたコメントを掲載する特集記事の他、活動の報告、イベントのお知らせなどが満載されています。

多摩市内公共施設(公民館など)に置いてありますので、お立ち寄りになる機会があれば手に取ってみてくださいね。
郵送ご希望の方はメールでご連絡ください。無料でお送りします(継続的に購読いただく場合には‘お知らせメンバー’への登録が必要です)


働き方 私流 back number
vol.56 2020.4.1発行

みんなを、街を元気に。人と人をつなぐ「場」を創っていきたい

グランフィーカ
矢田 智美さん

宮崎県生まれ。文化女子大学短期大学 被服専攻、文化服装学院でファッションを学ぶ。卒業後、都内アパレル企業に就職。2009年、多摩市内に完成したコレクティブハウスに転居。敷地内で地域住民の交流の場となる“これからカフェ”を定期的に運営。2017年「Grann Fika」設立。夫と息子ともに多摩市在住。


 「Grann Fika(グランフィーカ)」と聞いて、何語だろう、どんな意味かしらと検索するかもしれない。正解はスウェーデン語で、「隣人」という意味の「Grann」と、コーヒーブレイクでコミュニケーションをとる「Fika」というスウェーデンの生活習慣を意味する単語を合わせた造語。平日、都心のアパレル企業で働く矢田智美さんは、多摩に帰ってくると、そんな名前の活動をしている。拠点は聖蹟桜ヶ丘駅近くにあるコレクティブハウス聖蹟の居住者共有スペース&キッチン。ここで矢田さんがGrann Fikaとしてマネジメントするワークショップは毎回好評だ。小物作家によるクラフト体験教室や、シェフや職人を招いてのデモンストレーション講座など、どれも1日で完結する会で、誰でも気軽に参加できる。講師はみんな矢田さんが出会った多摩地域で活躍中の方々だ。
 今年でGrann Fika設立から3年目。多くの人がこの場での交流を経て、新たな一歩を踏み出す機会を得たと聞く。地域との結びつきも強く、多摩地域の魅力を発信する役割も担っている。このバイタリティは一体どこから…?
 矢田さんはファッション業界への就職を目指し上京。短大で服飾を専門的に学びながら、夜間の専門学校にも通った。卒業後は都内のアパレル企業に入社し、デザインや企画を担当。現在は生産管理として企画サイドと国内外にある工場や取引先などとの調整役を担っている。
 その間、結婚し長男が誕生。子どもには早くからいろいろな人達の中で育ってほしいと考えていた矢田夫妻。多様な人々が同じ建物内に居住し自主運営する“コレクティブハウジング”というスウェーデン発祥の暮らし方を知り、魅力を感じる。その矢先、聖蹟桜ヶ丘にその物件が誕生すると聞き、建築計画や暮らし方について居住予定者らと話し合うワークショップに参加。完成に至るまで、コレクティブハウジング社が大家と居住者との調整役となり、それぞれの希望をまとめていく流れを間近で学んだ。
 コレクティブハウス聖蹟に入居後、矢田さんは地域とつながりを持とうと、毎月敷地内の駐車場で“これからカフェ”を有志と開催。近隣に住む人々の交流の場となった。“これからカフェ”やその他のイベントなどで、実はすごい特技や資格を持ち、夢を抱いている方が多くいることが分かり、実現のために何かお手伝いができないかと動き出す。それがGrann Fikaだ。
 自身を「じっとしていられないタイプ」と評し走り続けてきた矢田さんだが、時代と人生の先々を冷静に俯瞰している。「最近になって人生100年時代と言うけれど、もともとそのつもり(笑)。でも、自分だけ元気でもつまらない。みんなを巻き込んじゃえ!と思っていて」と目を輝かす。地域における人と人とのつながりが、ある人の小さな収入につながったり、地産地消につながったりする。関わりあうことでみんなが楽しく、街が元気になったらと願う。そんな明るい矢田さんと話していると、本当に100歳まで笑って生きられそうな気がしてきた。
 この夏、運営のお手伝いもする『けゑどの会所』(レンタルキッチンやカフェコーナー、ギャラリーを併設したみんなが楽しく集える場)という場所が関戸にオープンし、そこでの活動も始める予定とのこと。関戸は多摩の歴史が色濃く残る地域のひとつ。「昔の多摩を良く知る方との交流を通して、地域の歴史や文化を発信していきたい」と、今後の展望を語ってくれた矢田さん。ますます街に笑顔が増えそうだ。


    Grann Fika

魅力的なワークショップは必見! 
URL・・・https://grannfika.com/
Facebook・・・https://facebook.com/GrannFika/
Instagram・・・https://instagram.com/grannfika/

vol.54 2019.10.1発行

常に考えることを止めない。それが原動力であり、継続になる。

有限会社ナチュランド本舗 代表
山本 道子さん

静岡県生まれ。大学で食品化学を学ぶ。卒業後は都内の出版社に就職。結婚・出産を経て、製パン業者の商品企画や、医療機関、レストランでの勤務と平行して子育てに励む。1988年、多摩市永山で「ナチュランド」開業。ケーキや焼菓子など約200種類の洋菓子を企画製造。多摩市在住。


今年、多摩市で創業32年を迎える洋菓子店「ナチュランド」をご存知だろうか? 今でこそオーガニックや無添加、国産原料にこだわった洋菓子店はめずらくないが、ナチュランドはその先駆けと言っても過言ではない。開業当初から、アレルギー対応(卵・乳製品不使用など)のケーキや焼菓子なども揃え、幅広い客層から支持を得ている。どれもが滋味深く、飽きのこない美味しさが人気だ。
 店主の山本道子さんに開業までの経緯を伺った。実は山本さん、大学時代は食品化学を学び、食品添加物の優位性を研究していたというから驚きだ。その知識は思わぬところで活かされる。
 今から40数年前、自身の長女がアトピー性皮膚炎を発症。新聞で連載中だった有吉佐和子の小説“複合汚染”にも衝撃を受け、アレルギーの原因は食品に含まれる化学物質だと推測。日常的に食べるもの全ての原材料を徹底的に調べ、無添加食品・無農薬野菜に切り替えたところ、長女の症状はすっかり治まった。
 その間、娘のためにと素材を厳選して作ったお菓子が知人から大好評。原宿のマクロビオティック料理店でケーキ作りを任された経験や、周囲から洋菓子店の開業を勧められたことが山本さんの背中を押した。当時、女性創業者が店を借りるために信用を得るのは大変なことだったが、住んでいた多摩市でナチュランドを開業。以前から繋がりのあった生協活動の仲間も応援してくれた。  
 手作りのものを量産するノウハウは、営業しながら試行錯誤して構築。そもそも一般的な洋菓子製造では使わない原材料を選んでいるため、手本が何も無い。たとえば小麦粉は、グルテン量が少なく ふんわりと仕上がる海外産薄力粉を使うのが主流だが、ナチュランドでは輸入小麦におけるポストハーベスト農薬※の心配がない長野県産の地粉(中力粉)を使っている。砂糖は上白糖ではなく、精製回数が少なく栄養豊富な鹿児島県産のきび糖。「どっしりと重たい粉に、ちっとも溶けない砂糖。一般的なケーキの2倍も3倍も手間をかけて作っています」と山本さん。効率化と利便性を重視して作られた食品がもたらす、人の健康や環境への影響を実感したからこその選択である。
 また、食料自給率やフードマイレージの観点も踏まえ、国産の安全な食材を作る生産者のものを選び、支えたいと考えている。そのため、新商品を作るための素材選びではなく、生産者との出会いから新商品を発想しているという。そして山本さんは、事業を継続させる秘訣を「毎日、新しいことを考え続けること」と教えてくれた。生産者や新商品のことなどを休み無く考えているので、自身はもはや「ナチュランドと一体化」していて、「わたしからナチュランドを引いたら何も無くなっちゃうわ」と微笑む。人生まるごと尽くせる働き方がとても眩しく見えた。いや、働くというスケールを超えているような気もする。もちろん「これからも変わらずに続けていきたい」と力強く話してくれた。

※ポストハーベスト農薬…収穫後の農産物の輸送や貯蔵中における病害虫による被害防止のために、収穫(=ハーベスト)された後(=ポスト)に散布する農薬のこと。

  ナチュランド
住所:東京都多摩市永山6-9-3 ハイム永山105
電話:042-337-1020
HP:https://www.natuland.jp/
営業時間:10時〜18時 / 定休日:日曜日

vol.53 2019.7.1発行

場所をもつことで、これまでいろいろやっていたことが集約して実現できた!

キノコヤ 店主
黒川 由美子さん

東京都多摩市育ち。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、映画配給会社や映画館で働く。2001年からTAMA映画フォーラム実行委員。多摩市一ノ宮児童館「あみものクラブ」講師。2019年3月、「キノコヤ」をプレオープンし、5月から本格営業。夫と一人息子とともに多摩市在住。


京王線の聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩5分、大栗川沿いにある「キノコヤ」。店内に入ると、バーカウンター越しにお客様対応をしている黒川さんがいる。黒板には「本日のランチ 豆ごはんとローズマリーローストチキン」の手書き文字。「キノコヤ」は、映画とコーヒーとお酒が楽しめるお店だ。アジアンテイストな日替わりのワンプレートランチもある。春には店内から見える大栗川沿いの桜が美しい。店主の黒川さんは、以前シーズレターで「編みぐるみ(編み物で作ったぬいぐるみ)作家」として紹介したこともあり、イメージは手芸の人だったのだが、その彼女が「お店」を始めたと聞いて、お話を伺った。
 黒川さんは、大学でグラフィックデザインを学んだ後、映画配給会社や映画館に勤めていた。TAMA映画フォーラム実行委員会の活動も長く、配給会社や映画監督との付き合いもある。その彼女が、「場所」を持ってやりたかったことのひとつが映画上映会。「キノコヤ」の2階は雨戸を閉めてスクリーンを下ろすと、こぢんまりとした映画上映会場に変わるのだ。記念すべきキノコヤシネクラブ第1弾に選んだ作品は「アメリカン・スリープオーバー」。
 「映画上映できる場所を持ちたい」と思いながらいろいろと場所を探していた。たまたま近所にあるお気に入りのお菓子屋さんが今年1月で閉店すること知った後の決断は速い。2月には店舗を借り、保健所の申請などの手続きをこなしつつ、美大で空間演出を学ぶ息子や友人たちの手伝いで珪藻土やペンキを塗ったり、インテリアを選んだり、スクリーンを取り付けたり…。手作りで準備を進め、3月、桜の咲くころにはプレオープン。5月に本格営業が始まった。「手芸カフェ」の日は、ワンドリンクオーダーで講師の資格をもつ彼女と一緒に編み物や手芸が楽しめる日。映画上映会や夜営業など、内容や営業時間が日によって変わるので、SNSは要チェックだ。
 「毎日違う人に出会えて楽しい」というのが営業を始めてからの率直な感想らしい。映画や本、アート、音楽好きな人がふらっと立ち寄ったり、カウンターで初めて出会った人同士がおしゃべりしていたり。「キノコヤ」開店の告知はSNSだけだった。「主張してなくても雰囲気から見えてしまうものがあるのか」「聖蹟桜ヶ丘の街の力がそうさせるのか」と彼女は言うが、「来てくれる人が面白い」のだそうだ。若い男性が夕方に遅めのランチを食べに来たり、女性がひとりでカウンターでビールを飲んだり、もちろん家族連れなども。店の外から「何のお店だろう?」と視線を送る通りがかりの人も多い。
 今はランチが人気だが、夜の営業日や映画上映会をもっと増やしたいとのこと。そのためにおつまみやお酒のバリエーションを考えたり、お客さんの希望を聞いたりしているらしい。お客さんも店主と一緒に店を育てている感じがする。知人が納品してくれる焼き菓子などの販売も増やしていきたい、とのこと。オーナー店主としてイベント企画もメニューも自分で決められることを存分に楽しんでいる。聖蹟桜ヶ丘に立ち寄りたくなる店が増えてうれしい限りだ。


    キノコヤ

多摩市関戸4-34-5
℡ 042-400-1127
営業時間、店休日、ランチメニュー、上映会等の情報はキノコヤのTwitter、Instagram、facebook参照 

vol.52 2019.4.1発行

食品ロス削減や貧困問題に取り組む活動に、いろんな人にかかわってもらいたい

NPO法人シェア・マインド 代表理事
松本 靖子さん

東京都多摩市生まれ。小学校~高校まで私立学校へ。自宅で数年の病気療養後、仕事を始め、30歳を過ぎた頃早稲田大学人間科学部健康福祉科(eスクール)に入学。2015年11月、NPO法人シェア・マインド設立、代表理事となる。多摩市在住。


多摩市の大谷戸公園近くの住宅街にあるNPO法人シェア・マインドの倉庫へ取材に伺った。倉庫といっても一戸建て住宅をそのまま利用しているため、車のナビで到着してもどこが目指す倉庫かわからない。ウロウロしているところを作業着姿の松本さんがにこやかに迎えてくれた。大きな座卓のある和室でお話を伺っていても、よくある実家の風景のよう。でも、ふすまを開けた隣室には、賞味期限や品目ごとに分類された食品が並んでいた。取材日は週に一度の食品寄付受取日だったため、寄付に来た方や食品をもらいに来た方の来訪、宅配便の着荷が次々にある。このように、 家や企業で余った食品を預かり、食べ物を必要としている方へ届ける活動が「フードバンク」だ。松本さんは3年前にNPO法人を立ち上げ、「食品ロス問題」「日本の貧困問題」に取り組むために、「フードバンク多摩」の活動を始めた。
 松本さんは多摩市生まれ多摩市育ちだが、市外の私立学校へ通っていた。高校卒業後数年間は、重度のアトピー性皮膚炎の治療のために、自宅療養をしながら家業の手伝いをして、20歳代後半で社会へ。自分に合う仕事を探し、収入が落ち着いてきたときに、eラーニングで授業が受けられる通信教育課程の大学へ入学した。人間はどういう状態でいると幸せでいられるのかという、社会福祉を学びたくなったのだそうだ。
 法人設立のきっかけは、土木会社に勤めていた時に出会った一人の男性。退社することになったその人は社員寮も出ていかなければならなくなった。しかし彼には頼れる身寄りもなく、次に住むところもない。人の「生活」が崩壊する瞬間を目の前で見ながら、なにもしてあげることができなかった。一方で大量の食品が廃棄され、空き家が問題となっている日本。「うまく活用できれば、寄る辺なく生きてきた方たちがもう一度希望を取り戻し、一緒に歩きだせるかもしれない」との思いから、活動が始まった。
 フードバンク多摩の活動を始めて約3年。当初はほとんど反響がなかったが、ここ1年ほどは行政とのつながりもでき、月のべ50人ほどの方に食品を届けている。ひとり親家庭や子育て家庭、30~40歳代の単身者、高齢者、障害や病気のある方など対象は幅広い。支援した人が支援から卒業していくとやりがいを感じるという。メディアにも多く取り上げられている「無料スーパー」の取り組みは、フードバンクのPR活動。全ての品物が0円(会場内に募金箱設置あり)のスーパーで、食品ロス問題を考え、いろんな人に参加してもらい、フードバンクを広めるきっかけにしたいのだ。
 食品を寄付する側も、もらう側も無料のフードバンク事業は、「動けば動くほど赤字になります」とのこと。どうやって事業収入を得る仕組みをつくるか、食品をもらう側の遠慮や壁をどう取り払うか、課題はある。だが、「今後は無料スーパーをキャラバンで回って地域に飛び出すなど、もっと動くつもり」とビジョンを語る松本さんは前向きだ。「フードバンク」という言葉が当たり前になり、気軽にいろんな人が参加できる活動になるよう、応援したくなった。


    NPO法人シェア・マインド

食品や活動資金の寄付の方法、食べ物が必要な方への配達の詳細はホームページをご確認ください。 
 ▲玄米の寄付の持ち込みがありました。   多摩市連光寺3-47-5
TEL 090-6470-4905
URL http://sharemindjp.com/
メール info@sharemindjp.com

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