緑いっぱいの多摩中央公園からつながる、パルテノン多摩4階。NPO法人シーズネットワークが多摩市から事業を受託した「こどもひろばOLIVE」がある。3月27日のオープンから3か月。平日の利用者は、近くに住む未就園児とママたちが多く、週末には、市内外から0歳~小学3年生程度までの子どもたちとその家族が訪れて、平日の何倍もにぎわう。
運営の中心的役割を担う二人は、どちらも偶然、‘島田’さん。並んで自己紹介すると、必ず「え?」という顔をされるので、毎回「親戚じゃないんですけど~」と笑いを誘って場をなごませる。
島田良恵さんは、自他ともに認める‘元気印’。幼い長女を育てる中、育児相談レターカウンセラーになったのをきっかけに、電話・Web育児相談員や育児関係の雑誌等での執筆などに仕事を広げた。そして「直接、ママや子どもたちとふれ合える場所の人になりたい!」と強く思うように。三人目を妊娠中に、シーズの前身であるサークル「Seeds」を仲間たちと立ち上げる。以来、20年以上にわたって‘Seedsひろば’、‘多摩センター子育てつどいの広場coucou(クク)’、‘多摩市子ども家庭支援センターたまっこ’など、シーズが関わる様々な子育て支援事業の現場を切り盛りしてきた。
一方、島田亜季さんは、長男が1歳のときに多摩市に引っ越してきた。慣れない環境で心細く感じることもあったが、近くの児童館やcoucouに出かけ、スタッフたちとおしゃべりすると心が安らいだ。もともと「子どもが好き、人が好き」。いつか自分も、ママたちに寄り添う支援者になりたいと思うように。シーズのアクティブメンバーに登録し、いくつかの子育てひろばや一時保育に携わった後、たまっこに勤務。約6年半、子育てひろばスタッフとして経験を積んだ。
「OLIVEは、子どもたちの成長を見守れる期間が長くてうれしい」と口をそろえて言う二人。一般的な子育てひろばや一時保育よりも対象となる子どもの年齢が幅広いからだが、運営面ではそれゆえの難しさがある。また、市外の人も利用できるため、様々なニーズへの対応が求められる。ひろばには、多摩センターへ遊びに来たついでに親子だけでちょっと遊びたい人もいれば、友達やスタッフと子育て期を共有する‘居場所’として毎日のように通う人もいる。それぞれに心地よいと感じてもらえる関係性をどうやって築いていくか…十数人のスタッフをとりまとめながら、日々試行錯誤している。
一方で、イベントや講座の企画・調整にも忙しい。シーズには、子育て支援以外の活動にも取り組んできた様々なノウハウや、アクティブメンバー、地域のNPO、市民団体、大学、企業等とのネットワークがある。それらを、OLIVEが街のにぎわいの‘呼び水’となるために活かしていくつもりだ。
OLIVEを、その名のとおり‘オリーブの木’に例えると、まだ芽を出したばかり。二人の‘島田さん’を幹として、枝を伸ばし、花を咲かせ、実を付けていく…、今後の展開に乞うご期待!
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